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赤字でも会社は成長できますか?~会社の未来のために/税理士・公認会計士 河北 啓二

Ⅰ.はじめに


国税庁が公表する「国税庁統計法人税表」によると 2023 年度の赤字法人率は約 65%となっており、およそ 3 社に 2 社が赤字の状況となっております。確かに、物価高や賃上げにより法人の経費が増加してきており、売上の増加ができていない法人は経営状況が苦しくなってきております。しかし、一生懸命事業を行っている法人の 3 社に 2 社が赤字かといううと、私が税理士として中小企業と接している実態とは少し異なっている気がします。なぜなら、赤字法人といっても、純粋に事業が苦しい法人がある一方、故意に赤字にしようとしている法人があるからです。

 

税金を払いたくないから赤字に近づけるという行為は、会社経営として資金繰りや将来の投資を考えたときに果たして正しい行為といえるのでしょうか。

Ⅱ.純粋に事業が苦しい法人


まずは、黒字を目指しているが赤字となってしまっている会社について、見直すべきポイントを記載していきます。市場の状況等の外部環境は自力ではどうすることもできないので、下記のようなポイントを自社の状況にあてはめてチェックしてみてください。

  • 原価率を考慮した値段設定ができているか
  • 商品ごと案件ごとの利益率を把握できているか
  • 売れ筋の商品や利益率の良い商品に資源を充てられているか
  • 削減できる固定費はないか

これらのポイントを考慮して経営を見直すことによって黒字化に近づけるはずです。まずは身近な顧問税理士や中小企業診断士にご相談されることをおすすめします。

Ⅲ.故意に赤字にしているもしくは利益を少なくしている法人


私がお会いする経営者の中に「利益は残るけど税金を払いたくないからとんとんに近づける」とおっしゃられる方がいらっしゃいます。

もちろん、売上を過少に申告したり、棚卸金額を事実と異なる金額としたり、事業に直接関係のない経費を計上するのは脱税行為にあたりますので絶対にやってはいけません。一方で、期のはじめに役員報酬を高めに設定する、車を購入する、保険契約を行う、事業と関係ある方との飲食に必要以上に行くなど合法的に経費を増やすことは可能です。

しかしながら、それらは本当に必要な経費でしょうか?合法的であっても節税といわれるほとんどの行為はお金を使うことになります。無駄なお金を使い、利益を抑えて税金の支払額を減らすことが会社のためになることでしょうか?

 

利益が残らないということは法人の現預金が増えることはありません。当然、新たに人を雇ったり、設備投資をしたり、新しいシステムを導入することにお金をかけることができなくなります。あと数年で事業をたたむ予定で、現在の売り上げを維持でき、固定費も増加しないのであればそれでもよいですかもしれません。その先も事業を続けていく予定なのであればおすすめはしません。

現在は順調に経営を行えている会社でも、リーマンショックや東日本大震災、コロナ禍のような予測できないことが起こったり、取引先の倒産のような突発的なことがあるとたちまち会社を取り囲む状況は変わります。そのような状況を耐えて乗り越えられるのはしっかりと体力がある会社だけです。体力があるというのは一言で言うと『お金がある』ということに置き換えられます。

 

お金を会社に残すにはどうしたらよいか?これは、毎期利益を出し、税金を払ったうえでコツコツとお金を残していくしかありません。その飲食代は本当に売り上げにつながっているでしょうか?その保険契約は必要な保険でしょうか?法人の利益を減らすために必要以上に役員報酬を高く設定していると個人所得税率の方が高くなっている可能性もあります。

中小企業は、所得 800 万円までは法人税率が 15%、それを超える部分は 23.2%の法人税がかかり、地方税なども含めると利益のおよそ 30%ほどとなります。この 30%は必要なコストと捉え、逆に 70%をどう残して会社の将来にどのように使うかを考えてみてはいかがでしょうか。

Ⅳ.おわりに


税率の高い低いの程度はあれ、どんな時代もどんな国でも法人税は存在します。それをいかに払わないようにするかを考えるのもひとつのやり方ですが、しっかりと稼いで納税をし、残ったお金を会社の将来の投資にまわすほうが会社の基盤固めや成長につながっていきます。

個々の会社によって状況も社長の考えも異なりますので、専門士業としてできる助言も異なってきます。私も所属している神戸商工会議所所属の士業有志団体「こうべ企業の窓口」では、複数の士業が連携して皆様を全力でサポートいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

執筆者ご紹介


税理士 公認会計士 河北啓二(かわきた・けいじ)

 

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弊事務所のお客様の黒字決算率は7割を超えます。日々の会計業務からしっかりとサポートすることでお客様の経営力向上に尽力いたします!

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