最近、家主さん・お店の借主さんのどちらからも、「家賃を見直したい(見直してほしい)」というご相談が増えています。
背景には、ここ数年の不動産価格の上昇や物価の上昇があります。建築費や材料費、光熱費などが上がり、それに伴って固定資産税や不動産の維持管理費も増えています。
長い間据え置きだった家賃が、今の状況と合わなくなってきている――そんなケースが多くなっています。
とはいえ、家賃はお互いの生活や商売に関わる大切なもの。
家主さんは「負担が増えてしんどい」、借主さんは「急に上がるのは困る」と、どちらの気持ちにも一理あります。だからこそ、焦って感情的にならず、まずは“仕組み”や“流れ”を知ることが大切です。
家賃の見直しには、実は法律で決められたルールがあります。
借地借家法という法律では、「税金が増えた」「周りの家賃と比べて今の家賃が不自然になってきた」などの場合には、契約の途中でも家賃を上げたり下げたりする相談ができるとされています。
ただし、“上げたいから上げる”ということはできません。「なぜ今の家賃では難しいのか」を、相手に分かるように説明することがとても大切になります。
口頭だけでは誤解のもとになることもありますので、書面で「いつから」「どのくらい」変えたいのかを伝えます。そして、話し合いでまとまれば、内容を書面にします。
話し合いのポイントは、「相手の事情に耳を傾けること」。
家主さんには税金や修繕費などの負担が増えている事情があり、借主さんにも売上状況や景気の影響など、それぞれの背景があります。
お互いが少しずつ情報を出し合って、“どこなら落ち着くのか”を探していくことが、結果的に一番うまくいきます。
それでも判断が難しいときは、不動産鑑定士に相談する方法があります。
不動産鑑定士は「この地域で、この規模の物件なら、今の家賃は高いのか・低いのか」を、周辺の相場や建物の状態を調べながら、客観的に評価することができます。
人によって主張が違っても、第三者の専門家が入ると話し合いが落ち着きやすくなり、双方が納得できる着地点を見つける手助けになります。
家賃の見直しは、決して特別なことではありません。
長く同じ金額で続いてきた契約ほど、時代の変化に合わせて見直しが必要になることがあります。
一方で、急に変えようとするとトラブルにもなりやすいため、「理由を丁寧に伝えること」「記録を残すこと」「相手の立場も理解すること」がとても大切です。
もし「どこから手をつけたらいいか分からない」「強く言われて不安」ということがあれば、一人で抱え込まず、専門家に相談してみてください。
神戸には、不動産鑑定士だけでなく、弁護士・税理士・社労士など、さまざまな専門家が連携する「こうべ企業の窓口」があります。家賃だけではなく、経営や相続、法律など幅広く事業者の皆様をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
執筆者ご紹介
不動産鑑定士 三宅純也(みやけ・じゅんや)
税理士さん・公認会計士さん・弁護士さんなど、士業専門の不動産鑑定士です。その価格はどのように決まっていますか?適性に評価されていない価格のままでは、税金、会社決算・株価、裁判等に大きな影響があります。「依頼者よし、紹介者よし、鑑定士よし、世間よし」の“四方よし”がモットーです。
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