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楽して楽して楽して楽して楽して経理しましょう/公認会計士森清聡啓

Ⅰ はじめに

年々複雑化する税制、会計処理、それに伴う書類の作成など、経理事務は増える一方です。今年の年末調整、ややこしかったですね。

このまま作業のやり方を変えなければ作業時間や書類ばかりが増え、お金は貯まらずとも疲労やストレスが溜まりそうです。

そこで、このコラムでは楽して経理ができ、お金も貯まる方法を考察していきたいと思います。

 

Ⅱ 「されど作業」ではない

やり方を変えるのは労力がかかりますし、他の誰かに頼むには納得してもらう必要があります。取り組むべき理由をしっかり理解しておかないと、効果が得られなかったり、途中で挫折したりします。

経理事務は地道な作業の積み重ねですが、経営の根幹を担うとても重要な事務です。

  • ■信頼確保:仕入先への支払いは正確に
  • ■資金繰り:得意先への請求・回収管理、預金の残高管理もしっかりと
  • ■法令遵守:税法、会社法などをきちんと理解
  • ■業績管理:毎日、正確に会計帳簿へ記帳

 

など、様々な観点から、経理事務は素早く正確に行う必要があります。

Ⅲ 大事なのは分かった。でも外注できないか。

会計帳簿への記帳は税理士、会計士や記帳代行会社に外注することもできます。

 

内部でやるか、外注するかはメリット・デメリットを検討したうえで「何を優先するか」で判断することになります。

  メリット デメリット
 内部でやる
  • 早く業績を把握できる
  • ノウハウが溜まる
  • 実態に即して記帳できる
  • 作業時間がとられる
  • 勉強(教育)が必要
外注する
  • 作業時間を減らせる
  • 外のノウハウを活かせる 
  • 費用がかかる
  • 業績把握は 1~2 ヶ月後
  • ノウハウが溜まらない
  • 機械的・形式的に記帳されがち

なお、支払や請求・回収事務、書類の整理、資金繰りなど、多くの経理事務は内部で行う必要があります。

 

Ⅳ 経理効率化の極意

経営事務を内部でやる、やり方を変えると決めたら、覚悟を決めて取り組みましょう。

 

一般的に効果が高いもの 3 つを極意として共有します。

 

極意 1:会計システム導入・見直し

すでにほとんどの方がお使いだと思います。経理の効率化には会計システムの導入は必須です。ただ、導入したときに「口コミがよかったから」「料金が手頃だから」などの理由で今の会計システムを選んだ方は要検討です。

会計システムは様々な業者から出されており、基本的な機能は似通っているものの、入力方法、レポート機能、検索機能などに違いがあり、個性があるため、自社に合っていない場合もあります。

また、入力を極力減らすことがポイントです。

  • ■インターネットバンキングや POS レジと連携でき、入力の手間が省ける
  • ■電子帳簿保存法に対応しており、請求書をスキャンなどでデータ保管できる
  • ■必要なレポート機能があり、別途 Excel で資料作成する必要がない

などの観点から会計システムを見直すのも効果があります。

 

 

極意 2:現物管理の削減

「手形・小切手」は、現物の保管や銀行への取立依頼、期日管理など事務が面倒です。極力、発行しない、受け取らないのがよいでしょう。相手がいるので交渉が必要ですが、政府方針により 2027 年 3 月に廃止が予定されているので、これを追い風として交渉し、早く止めるのがよいでしょう。

また、「現金」を小口の支払、仮払い・立替精算などで置いている場合もあります。金種の準備や盗難防止対策も必要となり、金額の割には手間がかかります。

 

小口の現金払いは振込に、役員・従業員の経費立替えはカード払いもしくは給与振込時に精算するなど、現金を置かないようにするのがよいでしょう。

 

極意 3:業務フローの見直し

目的が不明な作業や重複している作業を、止めたり統合したりすることにより効率化が図れます。こういった業務フロー見直しの糸口としては、「フローチャート」の作成が有効です。フローチャートとは、業務の流れを簡単な記号と矢印で表したものです。誰が、何の作業をしており、モノ・カネ・情報(書類・データ)がどこから来てどこへ向かうのかを図に表すことにより、業務の流れを俯瞰することができます。

作成したフローチャートから業務を見直しするポイントを探り、どのように見直すかを考えます。工程改善で用いられる ECRS(※)が参考になるかも知れません。

例えば、

  • ■同じデータから形式が異なる複数の資料が作成されていないか
    ⇒資料を削減または統合する
  • ■同じデータや書類を何度もチェックしていないか
    ⇒順番の入れ替えでチェック回数・項目を減らせないか
  • ■会計システムから出力したレポートを複雑に加工している
    ⇒その成果物は本当に必要か、別のレポート機能がないか、 加工を RPA で対応できないか、簡素化できないか

 

(※)E…Eliminate(排除) C…Combine(結合と分離) R…Rearrange(入替えと代替) S…Simplify(簡素化)

Ⅴ まとめ

経理事務は、税法改正など外部要因にも影響され、適切に作業を見直さないと時間ばかりが取られます。しかしながら、取引先からの信頼確保、資金繰り、法令遵守、適時な業績把握のためには、地道に経理事務をこなす必要があります。一見、守りのように見えますが、経理の業務プロセスを洗練させることにより、信頼確保やコスト削減につながり、かつ、経営情報を早く得ることができるため、課題の早期発見や資金繰りに先手を打つこ

とが可能となります。その結果、業績も向上し、お金も貯まります。

経理事務の見直しには労力がかかり、やり方の変更は内外からの反発を受けることもあります。その先の「楽してお金が貯まる経理」を目指して取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 

私も所属する神戸商工会議所所属の士業有志で立ち上げた「こうべ企業の窓口」では、複数士業が事業者の皆様をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

執筆者ご紹介

公認会計士  税理士  中小企業診断士 森清聡啓(もりきよ・あきひろ)

 

23年大手監査法人にてキャリアを積んで参りました。より顧客に密接したサービスを展開するため、2021年10月に神戸三宮にて会計事務所を起ち上げました。顧問税理士、経営計画作成支援、上場準備支援、業務効率化等、数字にまつわるサービスを幅広く展開していきます。

 

口だけでなく手も動かす。もちろんアタマも働かせる。そして心を通わせる。そんなサービスを提供していきます。まずはお気軽にお問合せください!

 

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