あなたが住む街の地価はいかがでしたか? ~令和6年地価公示の概要~/不動産鑑定士谷詰岳史

令和6年3月、国土交通省より令和6年地価公示(令和6年1月1日時点の土地価格)が公 表されました。

「全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大 都市圏・地方圏ともに上昇が継続するとともに、三大都市圏では上昇率が拡大し、地方圏で も上昇率が拡大傾向となるなど、上昇基調を強めている。」

1、 地価公示とは何?

国土交通省のホームページでは以下の通りです。

「地価公示とは、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が、一般の土地の取引価格の指標とするなどのため、都市計画区域等における

標準地を選定して、毎年1月1日 時点の1㎡当たりの正常な価格を判定し公示するもの。」

今年は、延べ2,259人の不動産鑑定士が、全国26,000地点について、分科会等における議論を経て鑑定評価した価格に基づいて判定して

います。

この地価公示、実はあらゆる場面で、私たちに関連しています。

土地取引の指標となるほか、課税、相続、地代・家賃、事業承継、立退料など・・・

地価公示が、社会・経済活動についての制度インフラといわれる由縁です。

それでは、兵庫県から神戸市にかけての地価動向を見てみましょう。

2、 兵庫県の地価動向

 県全体の平均変動率は、住宅地と商業地は2年連続、工業地は9年連続の上昇となりま した。

① 住宅地

住宅地は、神戸・阪神南・阪神北・東播磨地域は引続き上昇、中播磨地域は下落から横 ばいに転じています。

神戸市東部3区(東灘区・灘区・中央区)については、高い交通利便性等から需要が根 強く、住宅地の供給が不足気味であることから、上昇率の

拡大傾向が続いています。

阪神南・阪神北地域についても、神戸だけでなく大阪の通勤圏でもあることから需要は 比較的安定しており、昨年から上昇傾向を強めています。

中でも尼崎市、伊丹市、芦屋市の 3 市については、全ての地点が上昇となりました。

 

② 商業地

商業地は、神戸・阪神南・阪神北・東播磨・北播磨・中播磨地域については、昨年に引 き続き上昇し、丹波地域は下落から上昇に転じました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて停滞気味であった社会・経済活動が正常化する中にあって、全般的には地価は回復傾向にある

ものの、用途の差に加えて地域差 もあり、変動は一様ではないといえます。

なお、行動制限の解除により、外国人を含めて人流の回復傾向が鮮明となり、神戸市内 の商業地継続地点の全てが上昇となりました。

③ 工業地

工業地は、継続地点の全てが上昇となりました。

物流施設適地については E コマースや生活必需品関連など、売上が伸びている企業に 旺盛な拡張ニーズがあり、需要は堅調といえます。最終消費地に近い阪神間の工業地域や、 高速道路ICや幹線道路等へのアクセスが良好な地域を中心に、地価の上昇傾向が強ま っているといえます。

3、 神戸市の地価動向

① 住宅地

神戸市平均で2.1%上昇と、3年連続で上昇しています。

昨年に続き、上昇率は灘区が顕著であり、同区では3.7%上昇しました。

要因としては、2016年3月のJR摩耶駅開業以来、灘区では隣接する中央区、東灘 区への相対的な割安感もあり、根強い人気があることが挙げられます。

また、利便性の高さから中央区も引き続き上昇し、上昇率は3.6%となりました。一 方で長田区は4年ぶりに上昇に転じましたが、同区北部の傾斜地から、人口の流出が続い ており、上昇率は0.8%と小幅にとどまりました。

さらに、駅前再開発が進む垂水区も2.3%上昇と、昨年(+1.1%)に比べて上昇率 は拡大しました。

神戸市内で最も価格が高い住宅地は、昨年に引き続き東灘区岡本2丁目で、価格は1平 方メートル当たり70万4000円(前年比+2.2%)。

2位は東灘区郡家2丁目で59万9000円(前年比+5.6%)、3位は中央区山本 通1丁目で59万4000円(前年比+4.8%)。

最も上昇率が大きかったのは昨年に続き灘区烏帽子町2丁目で、6.6%上昇の34万 円。このほか上昇率上位には昨年に続き、灘区が占めました。

② 商業地

神戸市平均で2.0%上昇と、3年連続で上昇しています。

継続地点は、すべて上昇であり、昨年に続き9区全区で上昇しました。

新型コロナウイルスの影響を受けた店舗需要の回復のほか、マンション用地としての 需要もあり、人口の増えている灘区では5.9%と9区のうち最も上昇率が大きいという 結果となりました。

上昇率をみると、灘区に続いて、西区が5.2%、中央区が4.4%、須磨区が4.1%、 長田区が0.9%の上昇となりました。新型コロナの影響を受けながらも上昇が続いてい た東灘区は2.4%上昇(前年1.8%上昇)、灘区は4.3%上昇(同2.2%上昇)と上 昇率は拡大しております。

北神急行線の市営化で都心三宮までの運賃が下がった北区の商業地も上昇が続き、3. 5%上昇と前年の2.2%に比べて上昇率は加速しました。

神戸市内で最も地価が高かった商業地は13年連続で中央区三宮町1丁目(三宮セン ター街の入口付近)であり、1平方メートルあたり665万円(前年比+6.4%)と2 年連続の上昇となりました。

上昇率が最も高かったのは、神戸市中央区北長狭通3丁目で、近年の大きい下落からの 反動で、前年比+8.5%上昇の128万円となりました。

③ 工業地

工業地はコロナ禍での E コマースの発展などによる物流需要を背景に、上昇が加速し ています。最終消費地に近い阪神間の工業地帯や、高速道路のインターチェンジや幹線道 路などのアクセスもよい神戸市内へは人気が高まっています。

最も地価が高い工業地は灘区大石南町3丁目で、前年比8.8%上昇の1平方メートル あたり18万5000円となりました。

■不動産情報ライブラリ

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執筆者ご紹介

不動産鑑定士 谷詰岳史(たにづめ・たけし)

①小売店で年額賃料総額1億円の減額実績あり。立退き料の算定、新規地代設定も可能。②大型商業施設、工場財団のほかホテル、ゴルフ場、サービス付高齢者住宅等のオペレーショナルアセットの評価実績も豊富。③借地権・底地・隣地併合・分割に伴う評価実績も豊富。どんな物件でも評価いたします。

  1. 地代・家賃の増減額交渉、立退き交渉に伴う評価
  2. 特殊案件の評価
  3. 複雑な権利関係の評価

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