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脱ハンコで会社設立をスピーディーに/司法書士上塩入徹

 新型コロナウィルスの影響により、これまでの経営・勤務形態を転換し、新たな分野にチャレンジする事業者は少なからずいるかと思います。法人として事業を行う際に、会社(一般的には株式会社)を設立することになりますが、現在、株式会社の設立には日数を要するため、速やかな事業開始の足かせになっているとの声がありました。

 そこで、法人設立登記においては、政府が積極的に訴えている政策の一つである「脱ハンコ」によって、設立登記を申請してから原則24時間以内に完了するような制度が始まっています。

 本コラムでは、脱ハンコによって会社設立をスピーディーに行う方法を取り上げることとします。

 

1.制度

 法人設立をスピーディーに完了させることで、素早く事業を開始できるよう取り組みがなされています。

 

2.要件

 次の要件を満たす場合に、原則として24時間以内に登記を完了させることになっています。

 

(1)完全オンラインでの申請であること

 法人の設立登記を申請する方法として、完全オンライン方式、申請情報のみオンラインで送信し添付書類を紙で提出する方式、申請情報を含めすべて紙で提出する方式があります。その中で24時間以内に処理をしてくれるのは、完全オンライン方式で申請した場合のみとなります。

 

(2)株式会社か合同会社の設立であること

 株式会社または合同会社を設立する場合に限り、24時間以内の処理が適用されます。一般社団法人やNPO法人の設立には適用されません。

 

(3)役員が5名以内であること

 役員が5名以上である場合には、24時間以内の処理が適用されません。

 

(4)添付書類が全てオンラインで作成され、電子署名されていること

 電子署名とは、コンピュータ上での署名押印のようなものであり、データで作成した添付書類に電子署名をすることによって、実印で押印した用紙に代えることができます。マイナンバーカードをPCに読み込むことで、電子署名をすることができますので、現状では役員になる方全員がマイナンバーカードを保有しているか、電子署名ソフトを導入していないと、24時間以内の処理ができないことになります。

 

(5)登録免許税が電子納付されていること

(1)の完全オンライン申請の場合で、電子納付をすることが要件となっています。電子納付は、オンライン申請を行う申請用総合ソフトを利用すれば簡単に行うことができます。

 

 ただし、上記の場合であっても、登記申請の内容に不備がある場合や、法人設立の申請件数が比較的多い4月~6月の設立の場合は、24時間以内に完了しないことがあります。

 

3.まとめ

 電子署名を利用すれば、法人の設立をスピーディーに完了させ、設立後の事業開始や口座開設を速やかに行うことができます。

 現状では電子署名を行う場面は多くありませんが、今後「脱ハンコ」と働き方の見直しにより、電子署名が活用されることは容易に想像できます。

 万が一、電子署名はできるが会社設立の申請内容に自信がない、またはしっかり専門家と相談したい方は、ぜひ司法書士にご相談ください。司法書士は、法人設立登記を申請できる唯一の専門家です。当事務所でも数多くの設立案件を扱っておりますので、特殊な事業内容の方でも安心してご相談いただけます。 

執筆者のご紹介


司法書士 上塩入徹(かみしおいり・とおる)

 

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  2. 遺言

 

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