不動産の時価は今いくら?/不動産鑑定士三宅純也

不動産鑑定士 三宅 純也(三宅不動産鑑定事務所)

 不動産の価格は「一物四価」や「一物五価」と言われ、様々な価格が存在します。
 ご自身が経営する会社の事務所や工場、ご自宅等の価格は今いくらなのか。
 現在の時価は、簿価よりも高いのか安いのか。そして、どれくらい差があるのか。
 相続・事業承継・株価評価・決算・不動産担保などの場面で、中小企業の経営に大きな影
響を与えることになります。
 9 月19 日に本年の基準地価が発表されます(新聞掲載は9 月20 日)。
 ご所有不動産の時価を知る手掛かりとなるとともに、今後の固定資産税の動向を把握す
る一助にもなりますので、是非ご確認ください。
 本コラムでは、公的土地評価制度の紹介と比較を行うことによって、公的土地価格の見方
と調べ方をご案内いたします。
 なお、地価公示、地価調査、相続路線価、固定資産税評価のいずれも不動産鑑定士が評価
を行っています。


       地価公示(公示地価) 地価調査(基準地価)   相続路線価   固定資産税   実勢価格
根拠法令   地価公示法     国土利用計画法施行令 相続税法    地方税法    実際に市場で
実施機関   国土交通省       都道府県         国 税 局     市 町 村         成立する価格
評価時点     毎年1/1                   毎年7/1                     毎年1/1         1/1(3 年毎)
公表時期     3 月下旬                  9 月下旬                     7 月初旬        4~5 月頃
価 格          時 価                       時 価                         地価公示の     地価公示の
                                                                               8 割を目途     7 割を目途

1.地価公示(公示地価)
 地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するため
に、毎年1 月1 日時点における標準地の正常な価格を3 月に公示(平成31 年地価公示では、
26,000 地点で実施)するもので、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。


2.地価調査(基準地価)
 国土利用計画法施行令第9 条に基づき、都道府県知事が、毎年7 月1 日時点における標
準価格を判定するものです。土地取引規制に際しての価格審査や地方公共団体等による買
収価格の算定の規準となることにより、適正な地価の形成を図ることを目的としています。

 

<土地総合情報システム>
 http://www.land.mlit.go.jp/webland/
 不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を検索してご覧になることができ
 る国土交通省のWEB サイトです。


3.相続路線価
 相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。
 一般的に「路線価」といえば、この相続路線価を指します。
 地価公示価格(時価)の8 割を目途としていますので、
 たとえば「160」と記載があれば、160,000 円/㎡÷0.8=200,000 円/㎡となります。


<路線価図>
 http://www.rosenka.nta.go.jp/


4.固定資産税評価
 固定資産税を課税するための評価です。
 固定資産税にも路線価があり、地価公示価格(時価)の7 割を目途としています。
 毎年送られてくる課税明細書のうち、土地の「評価額」をご覧ください。
 「70,000,000 円」と記載があれば、70,000,000 円÷0.7=100,000,000 円となります。
 (なお、建物は7 割評価ではありませんので、そのままの価格が時価となります。)


<全国地価マップ>
 https://www.chikamap.jp
 

 不動産の時価を知ることは、中小企業の将来像を考えていく上で非常に重要です。

 公的土地評価を活用すると、ご所有不動産の時価(概算)を簡単に知ることができます。
 さらに具体的に知りたい場合は、是非こうべ企業の窓口までお問い合わせください。
 12 士業約40 名の専門家が全力でサポートいたします。

執筆者ご紹介


不動産鑑定士 三宅純也(みやけ・じゅんや)

 

税理士さん・公認会計士さん・弁護士さんなど、士業専門の不動産鑑定士です。その価格はどのように決まっていますか?適性に評価されていない価格のままでは、税金、会社決算・株価、裁判等に大きな影響があります。「依頼者よし、紹介者よし、鑑定士よし、世間よし」の“四方よし”がモットーです。

  1. 不動産鑑定評価
  2. 不動産コンサルティング

 

三宅不動産鑑定事務所

〒525-0032 滋賀県草津市大路1丁目9-1 アトラスタワー草津1505

TEL 077-596-5753

https://miyake-rea.com/


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