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個人の税金のお話し(不動産を売った時)/税理士福岡裕次

もうすぐ師走ですが、確定申告の準備はされていますか?「来年の話をすると鬼が笑う」といいますが、こと税金に関してはそんなことはありません。
個人の確定申告でも、特に不動産の売却された方は早めに申告の準備を進めてほしいというのが、今回のポイントで、準備のためには税理士をぜひ活用くださいというのが結論です。以下、フィクションで A さんと某税理士の会話を借りて、個人譲渡所得課税のお話しをまとめております。
 
【事の経緯】
A さんは、昨年 2 月に亡くなった叔父の B さんからの相続で、街中の土地を手に入れました。相続税を払うほどの評価はなく、A さん自身は使うあてもなかったようです。A さんは近所の不動産屋さんに相談したのですが、とんとん拍子で話がすすみました。無事に売却することができ、それなりのまとまったお金を手にすることができました。A さんは自分で税金のことをある程度調べ、自分で申告しようと思いました。でも、初めてのことですから少し不安に感じました。A さんは、11 月に自分で計算したメモなどを持って、街の某税理士に相談に行きました。
 
【某税理士の事務所】
(A さん) 不動産の売買契約書と、自分が書いた税金計算のメモを封筒から取り出しながら「こんな土地売ったんやけど、自分で計算したら税金が結構かかりそうなんや、ホンマかな?」
(某税理士)「どんな経緯で取得されたんですか?あれっ去年相続されたみたいですね? 」
  (A さん) 少しむっとしながら「ああ、相続で叔父から」
  (某税理士)「良かったですね! 相続の場合は取得日を引き継げるんですよ。」
  (A さん)  「何がよかってん!親戚やけど人の不幸やぞ・・で何がええねん。 」
  (某税理士)「失礼しました。A さんは短期の税率、高い方の税率で計算されていますが、長期の低い方の税率で計算できますね、この表をご覧ください。」

 


  (A さん)  「おおっ、損するとこやったわありがとう。短期で計算しとったわ。あと、夏前に住民税も来るんか…これ忘れてお金使ったら、正直きついな。 」
「相続で手に入れたのは、つい最近の去年やから 5 年内とちゃうんか?長期の 5 年超で計算しても大丈夫か?」
  (某税理士) 「原則は、取得日を起点に判断するのですが、この表を見て下さい。相続ですから、特例で、長期譲渡の計算ができますね。」

 

    (A さん)  「B さんまで、ずっと代々受け継いできたんや。なるほど、相続で僕が手に入れたから長期にできるんやな。税理士さんからの説明でようわかったわ。せっかくやから、あんたのとこで確定申告を頼もうと思うねん。もっと安くならんの?」
    (某税理士) どきっとした表情で「申告料金はギリギリでやってるんで…」
    (A さん)  「あんたの報酬と違うで、税金の方や。」
    (某税理士) 安どの表情で「売却代金の 5%分の概算取得費控除が使いましょうか。次に、譲渡費用をきちんと整理していきましょう。不動産屋さんの手数料だけじゃないんです。土地は更地にして売却しましたね、家を壊してたらそれも経費にできるかな...分筆もしてましたよね...追加で必要な資料は... 」
    (A さん)  「了解、資料はまとめて送るわ。払う税金、少しでも減らんかな?」 
    (某税理士) 「答えになっていないかもしれませんが、ふるさと納税やってみませんか?A さんだったら結構な額の返礼品がもらえそうですね。」
    (A さん)   「土地売って税金増えても、なんかもらえるなら、払い甲斐もあるな。よろしく頼むで!」
    (某税理士) 「自分が住んでいる自治体への寄附は対象にならないので注意してください。後日、その他の注意点と詳細をご案内しますね♪」
 
(参考:ふるさと納税の概要)

① 先に税金代わりに自治体に寄附(ふるさと納税)する(年内に税額の試算を行っておくことが大切!情報サイトを活用ください。)

② 寄附金額に応じて、地域の名産品などがもらえる

③ 確定申告時に、寄附額の一定額を所得税や住民税から差し引くことができる

 

 

【まとめ】
確定申告は、まだまだ来年の 3 月だから「鬼が笑う」と言わないでください。不動産売却をされた方は、年内に税理士に相談をしてみてください。納税資金を事前に確保でき、また感じなくていい不安を解消して年を越すことができるでしょう。そして早めに計算をすることで、その後ご自身
の状況に応じた節税のアドバイスを受けることもできるでしょう。
おそらく、税理士に来年の税金の話をした後は、きっとご本人様の笑顔があると思います。そこに鬼はいないはずです。
 
【ご注意】

・本稿は、平成 30 年 1 月現在の所得税法等の法令を基に作成しております。売却の時期により異なる取り扱いを受ける場合があります。また、個々の状況により、租税特別措置法の優遇税制を適用すれば、更に有利な申告計算が可能となる場合もございます。
・本稿の事案と類似する場合であっても、事前に税理士にご相談の上、申告書作成の依頼や申告書のチェックを受けることをお勧め致します。個別事案については、当職は責任を負いかねます。 

執筆者ご紹介


税理士 福岡裕次(ふくおか・ゆうじ)

 

①会計・税務を中心に社長のビジネスの成功をアシストします。②弊社の主力業務連絡です!運営から事業承継までしっかりサポート致します。③合併や分割といった組織再編についても、ご相談ください。再編の前後で税金で頭を悩ませないよう、早め早めの相談が大切です。

  1. 決算・申告業務(個人・法人)
  2. 医療・福祉関係の決算・申告
  3. 組織再編税制(主に国内)

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