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人口減少下のマーケティング戦略

中小企業診断士 赤部佳夫 (有限会社実践マーケティング研究所)

衆知の通り、日本の人口は2020年以降、減少に向かうことが予測されています。神戸 市も例外ではなく、2010年から2020年にかけて総人口は1%減少することが予測 されています。「何だ、1%ぐらい、大したことないじゃないか」と言われるかもしれませ ん。本当にそうでしょうか。今回は、その人口減少が、企業に与える影響とその対応につい て考えていきます。

 

1 若年女性人口(20~39歳)が急減する

下図の様に総人口の減少率が、比較的緩やかな理由は、65歳以上のシルバー人口 の増加によるものですが、その一方で、20~39歳の若年層人口の減少率は、 2010年からの10年間で2割近くに達する見込みです。

 

2 人口減少率が2割で何もしなければ、売上減少率は3割・4割に?

若年層人口の減少率が2割と予測される場合、この年齢層を顧客にしている企業の 多くはその減少分を他企業から、奪取して、カバーしようとします。つまり、自社 が何もしなければ、人口減少分に加えて、他社への流出分が上乗せされるため、さ らに減少率は高まることになります。その結果、売上が2割減にとどまらず、3割 も4割も減少し、さらに2020年以降は人口減少の速度は加速していきます。 何も対策を講じなければ、ノープレイ・ノーエラーではないことを、経営者の皆様には十分に理解していただく必要があります。

 

3 人口減少下のマーケティング戦略の展開例

1) 現行のサービスや提供商品の再強化を行う

例えば保育サービスで考えてみると、当社が依頼を受けて実施した顧客アンケート 調査で、お母さんのニーズを探索したところ、

① 母親自身の年齢が35歳以上または子供が2人目以降のグループ

② 母親自身の年齢が34歳以下または子供が1人目のグループ

で、違いがあることがわかりました。 

前者は、いかに子供が保育所や幼稚園で楽しく過ごせるかということに関心が高く、 後者は初めての子育てということもあり、子供が団体生活に適応できるかどうか に関心が高いことが確認されました。この調査結果を基に、以降、この保育施設では、入園希望者への説明内容を母親の 年齢や何人目の子供であるのか等、丁寧に聞き取った後、前者のグループであれば 当園に対する支持理由であった「外遊びや日本の伝統行事の楽しさ」をアピールし、 後者であれば、「子育て経験の豊富な保育士の充実や大半の子供が母親の姿が消え ても2ヶ月程度で慣れてくること」等の説明を行い、その結果、入園者の増加につ ながりました。幼年人口が減少する中で、競争力と訴求力を同時に強化することが、 重要であることがわかりました。

 

2) 現行の商品やサービスの提供方法を見直し、新規の需要を開拓する

関東地方のある総合病院では、企業の社員向けの健康診断に関して独自のサービス を提供しています。それは、この病院が大型バスを所有しており、例えばスーパー マーケット企業であれば、店舗と病院の間で送迎を行うというもので、店舗は通常 の営業時間中に無駄な時間を費やすことなく、社員の健康診断を実施することが 可能になります。

また、この病院は総合病院であるにも関わらず、土曜日も夜7時まで外来を受け付 けています。院長に話をうかがうと「サラリーマンやOLの患者様が平日の昼間に 来院することは容易ではないでしょう。だったら、我々が対応すればよいだけのこ とです」とのことでした。 ・総合病院は数多く存在しますが、ここまで、利用者の利便性向上に取り組んでいる 施設はまだ、少ないのではないでしょうか。 ・現行の商品やサービスの提供方法を変えるだけで新たな顧客ニーズの取り込みを 行えないか、考えてみることも重要です。

 

4 最後に

今後、企業を取り巻く経営環境は、一層厳しさを増しますが、過大な投資や信頼性 の低い情報に基づいた一か八かの新規事業ではなく、改めて

<本業で勝つことをシンプルに目指すこと!>

から取り組まれては、いかがでしょうか。 ~ 

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中小企業診断士 赤部 佳夫

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