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事業復活支援金申請のポイント/行政書士森口伸一

行政書士 森口 伸一 (森口行政書士事務所)

持続化給付金(2020 年)、一時支援金・月次支援金(2021 年)に続き、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けた中小法人・個人事業主を支援する『事業復活支援金』の申請が、 2022 年 1 月 31 日からスタートしました。

売上の規模・減少率によりますが、中小法人で最大 250 万円、個人事業主で最大 50 万円 が給付されます。

制度の概要、申請方法、給付額等の詳細については、経済産業省のサイトをご覧いただければと思います。

 

☆事業復活支援金(https://jigyou-fukkatsu.go.jp/

☆事業復活支援金の詳細について(https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_fukkatsu/pdf/summary.pdf

 

1.どのような事業者が申請できるのか

 

 一時支援金・月次支援金の申請をサポートした際、多くの方が『飲食業等のサービス業のみで、自分が対象とは思わなかった』『同業者等に聞いて、自分も申請できると分かった』 と言われており、給付対象の業種が限定的であると勘違いされていたようです。

 事業復活支援金につきましても、下記の要件を満たせば【事業の種類や事業所の所在地を問わず】給付対象になり得ます。

 

☆新型コロナウィルス感染症の影響を受けて ※1

☆2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が、2018年11月~ 2021年3月の同じ月(任意)の売上高と比較して、少なくとも30%以上減少した事業者

 

※1『季節性がある事業者の2018年11月~2021年3月の売上が、たまたま少なかった』『事業者の判断で休業した』『取引先への請求時期をずらした』などの場合は対象外。あくまで、『需要の減少』『供給の制約』等を原因とする売上減。

 

2.事前確認が必要

 

 一時支援金・月次支援金の受給実績のない申請者は、登録確認機関が行う事前確認を受け通知番号を取得しないと申請を進めることが出来ません。 

 

 

 

☆登録確認機関…認定経営革新等支援機関や商工会議所・預金取扱金融機関、登録を申し出た士業(税理士・公認会計士・中小企業診断士・行政書士等)

 

 これは、持続化給付金の不正受給が、システムの不備をついたもの(なりすましによる申請、過去の事業実態がないにも関わらず虚偽の確定申告書を提出した等)が多かったことへの対策と考えられます。

 当職も、一時支援金・月次支援金の登録確認機関として、多くの事前確認を受けさせていただきました。引き続き、事業復活支援金の事前確認を承っております。

 

①原則、対面もしくはビデオ会議による面談が必要です。

 ⇒ 顧問税理士による事前確認、商工会議所による会員の事前確認、金融機関による融資先の事前確認等は、内容が簡略化されます(電話・ファックス等)。

②費用が発生するか確認されることをお勧めします。

 ⇒ 原則は無報酬ですが、報酬を設定している場合もあります(当職は無報酬です)。

③インターネットサイトから、登録確認機関の検索が可能です。

 ⇒ 地域等で、絞り込み検索をしてみてください。

 

※おおまかな流れ:本人確認からスタート

 ⇒ 事業に関する書類の確認(確定申告書・帳簿・通帳等)

 ⇒ 基準期間(比較する期間)と対象月(売上が減少した月)の確認

 ⇒ 売上が減少した要因の確認 ⇒ 給付対象等を理解しているかの確認

 ⇒ 通知番号が発行される(申請のマイページへ自動的に反映)

 

3.申請における注意点

 

 実際に申請のサポートをした中で、特に気になった事項を 3 点だけご紹介します。 

 

(1)事前確認は、あくまで形式的な確認です。

 登録確認機関による事前確認は、①事業を実施しているか、②新型コロナウィルス感染症の影響を受けているか、③事業復活支援金の給付対象等を正しく理解しているか等について、書面やヒアリングにて確認をする、『申請への入口』です。 給付要件を満たしているかを実質的に判断するのは、国(中小企業庁)になります。 『事前確認では提示しなかった資料を求められる』『その結果、給付要件を満たして いないと判断される』等の可能性はあります。 

 

(2)添付資料の写しは鮮明に

 電子申請ですので、資料は全てデータで送信します(JPEGやPDF)。 プリンターでのスキャンデータはもちろん、スマホのカメラで撮影したデータでも大丈夫ですが、手ブレや見切れに気をつけてください。 特に確定申告書の収受印は日付まで確認される傾向にあり、スタンプが薄いと『確認できなかったので、代わりに納税証明書を添付してください』と言われたりします。

 

(3)BtoC業者の方は気をつけて 

 (1)①でも述べている『事業を実施しているか?』は、一時支援金・月次支援金から確認されるようになった事項です。事業実態のない申請者を排除するためです。事務局は、『請求書(領収書)+通帳』で、取引(売上)を確認しようとします。ほとんどのBtoB業者の方は問題ないかと思いますが、現金商売のBtoC業者の方は、通帳で売上等を確認できません。

 よって、他の資料(帳簿やレシート類、店舗写真等)を求められる可能性があります(当職が申請サポートした個人経営の総菜販売業者は、要求された資料を提示できず、一時支援金が受給されませんでした)。

 

 以上のように、気をつけるべき点はありますが、普通に商売をされている方は問題なく申請できるかと思います。 それでも不安がある場合は、当職も所属している専門士業集団「こうべ企業の窓口」へご相談ください。 複数士業が様々な観点から、事業者の皆様をサポート致します。

執筆者のご紹介


行政書士 森口伸一(もりぐち・しんいち)

建設業許可申請、経営事項審査申請、入札参加資格審査申請を中心とした各種許認可手続きを数多く手がけて参りました。また、議事録や定款などの法人に関する文書作成でビジネスをお手伝いもしております。最近では、相続に関する手続きサポート(相続人特定、分割協議書作成など)案件も増えています。

 

  1.建設業許可を中心とした許認可手続き

  2.相続関係の書類作成 手続きサポート

  3.法人関係の文書作成(定款・議事録など)

 

森口行政書士事務所

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