2019年4月から勤務間インターバル制度が努力義務になりました


社会保険労務士 佐藤 和之 (佐藤労務コンサルティング 代表)

◆勤務間インターバル制度とは?
勤務間インターバル制度とは、「前日の終業時刻から、次の始業時刻との間に一定の休息
時間を設定する制度」のことです。労働者の生活時間や十分な睡眠時間を確保し、ワーク・
ライフ・バランスを保ちながら働くことができる環境を作ることを目的としています。
十分な睡眠時間や生活時間を確保するため、終業時刻から次の始業時刻までの休息時間
は「8~12 時間」が適切ではないかと厚生労働省の報告にまとめられています。
勤務間インターバル制度の導入は義務ではありませんが、労働環境を整えるための方法
としては有効な制度です。
例えば、休息時間を「11 時間」に設定した場合、23 時00 分まで勤務をしたのであれば、
次の始業時間は、翌日の10 時00 分になります。
この11 時間の休憩時間の中に、通勤時間は含めていいとされています。


◆努力義務とは? 結局導入しないといけないの?
勤務間インターバル制度は努力義務なので、導入は必須ではありません。
終業から始業までの間に休憩時間を設定するよう、努めなければならないのですが、しな
ければならないという訳ではありません。ただし、努力義務だからといって、無視してい
いという訳ではありません。また将来的には、努力義務から義務に変わる可能性もあるの
で注意が必要です。(※ドイツ・フランス等は義務)


◆勤務間インターバル制度導入の注意点
勤務間インターバル制度を導入する場合は、下記3 点をあらかじめ決めておきましょう。
・休息時間
・適用となる労働者の範囲
・始業時間が通常時間よりも遅くなる時のルール
まず、休息時間については、会社側で自由に時間を決めることができます。ただ、実現可
能で睡眠と生活時間を確保できる時間を労働者と話し合って決めることが望ましいでし
ょう。次に、適用となる労働者の範囲については、部署や職種ごとに決めることもできま
す。例えば、最初は事務職だけに適用し、上手く運用できるようであれば他の職種にも適
用させることは可能です。最後に終業時間が遅くなり次の始業時間が通常の始業時間よ
りも遅くなる場合のルールを明確にしておきましょう。遅く出勤した分だけ賃金を控除
することや、賃金を控除せず終業時間を遅らせることもできます。

 

 ◆制度導入にあたり、厚生労働省の助成金を活用しましょう!
※「時間外労働等改善助成金」勤務間インターバル導入コース2019 年度拡充!
新規に勤務間インターバル制度を導入する場合、又は適用範囲の拡大・時間延長に取り組
む場合、取り組みの実施に要した費用の一部が支給されます。
・支給対象となる取組
・労務管理担当者に対する研修 ・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家によるコンサルティング ・就業規則・労使協定等の作成・変更
・人材確保に向けた取組 ・労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器の導入・更新
・テレワーク用通信機器の導入・更新 ・労働能率の増進に資する設備・機器等の導入
・助成額(上限)
以下の金額を上限とし、取り組みに要した助成対象経費の合計額の補助率3/4 または4/5 が
支給されます。


      休息時間数       新規導入    範囲の拡大・時間延長
 9時間以上11時間未満     80万円              40万円
 11時間以上          100万円             50万円


※人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)2019 年度新設!
「時間外労働等改善助成金」の支給を受けた中小企業事業主が、雇用管理改
善のための計画を策定し、新たに労働者を雇い入れ、及び人員配置の変更、労働者の負
担軽減その他の雇用管理の改善に取り組んだ場合に助成されます。
・助成額⇒雇い入れた労働者1 人当たり60 万円(短時間労働者の場合は、40 万円)
※支給対象となる労働者は10 人を上限とします。MAX 600 万円
(計画期間に被保険者数が増加していることが前提です。また増員計画の予定人数が上限です)
※生産性要件を満たした場合(伸び率が6%以上の場合のみ)、雇い入れた労働者1 人
当たり15 万円(短時間労働者の場合は10 万円)が追加されます。MAX 150 万円
(短時間労働者とは、週の所定労働時間が20 時間以上30 時間未満の労働者のことです)


社会保険労務士 佐藤和之(さとう・かずゆき)

 

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