1.顧客満足度とは
・顧客満足度とは、顧客の心理状態を表わし、事前の期待値より高ければ「満足」に、
低ければ、「不満足」ということになります。
・例えば、ラーメン店を例にあげると、<日本一おいしいラーメン>と表示した看板
を掲げたら、どうなるでしょう。初めてのお客様の事前期待値は大きく跳ね上がり、
「よし、日本一のラーメンを試してみよう」と考えて、来店されることになります。
・そして、利用後に「さすが、日本一だ。想像を大きく超えていた」ということであ
れば、何の問題もありません。しかし、利用後の満足度がその事前期待値を下回っ
ていた場合は、「おかしい。全然、大したことはない。だまされた気分だ」というこ
とになれば、その顧客がこの店を再度利用することはないでしょう。
・この様に顧客の満足度には絶対的な基準はありません。その基準は人によって違うか
らです。では、事前期待値を下げればどうでしょう。<死ぬほどまずいラーメン>
では、いかがでしょう。確かに事前期待値は下がりますが、試してみようというお客
様もそう多くはないでしょう。では、どうすればよいのかを考えると、以下の様な
設定のしかたが、考えられます。
・対応のポイントとしては、<事前期待値は、同業他店よりは高くなるようにしながら、
上げすぎないこと>を意識することが、重要です。
2.顧客満足度の測定のしかた
・顧客満足度を可視化する方法としては、アンケート調査により、測定することが
可能です。5段階評価であれば、全回答数に対して、「やや良い」と「非常に良い」
の2つを合わせた数の構成比を算出した数値が顧客満足度になります。
・100 サンプルに対して、「4.やや良い」と「5.非常に良い」の合計が 80 サンプルで
あれば、顧客満足度は 80%ということになります。
3.顧客満足度の高め方
・顧客満足度を高めるためには、1回切りの調査ではなく、定期的な調査が有効です。
昨年より、もし下がっていたら、その原因と対策を考えてみることが重要です
・下図の様な仕組みを社内で構築しましょう。
・顧客満足度を測定したら、次にその満足度を高めるために、改善策を考えて実行し、
その結果を、例えば、飲食店であれば、客数や客単価にどう反映されたかを検証、
改善策を評価、さらなる改善策を必要に応じて実施します。
・そして、次回の顧客満足度調査において、満足度がどう変化したかを検証します。
・では、顧客満足度を高める際の注意点を確認していきましょう。企業やお店にとって、
人材や原材料費、設備等の経営資源は有限です。100g2000 円で調達したステーキ
肉をお店で 1000 円で提供すれば、顧客満足度は高くなりますが、お店は大赤字に
なってしまい、経営を継続することができません。
・100g500 円のステーキ肉であっても、対面カウンターで、制服のシェフが笑顔で、
鮮やかな技術で、お客様の目の前で調理し、提供されたらいかがでしょう。
・また、炭火のコンロを設置し、お客様自身が備長炭で好みの焼き加減で楽しんで
いただくという方法もあります。こうした対応を続けながら、満足度を測定し、
さらに改善を図り続けていくことが重要です。
・簡単なアンケート調査から、スタートしませんか。
以上
中小企業診断士 赤部佳夫(あかべ・よしお)
ショッピングセンター・小売・飲食・サービス業における出店調査や顧客アンケート調査、顧客満足度調査等の実施。及び調査結果に基づく経営戦略の策定支援、改善のための現場指導や階層別研修の実施。NPO等ソーシャルビジネス企業の経営改善指導の実施。
有限会社 実践マーケティング研究所
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