ホーム 〉My法務コラム 〉 ファイナンシャル・プランナー執筆コラム 〉「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着に向けた取組み

「顧客本位の業務運営に関する原則」の定着に向けた取組み

ファイナンシャルプランナー 船津正明(船津正明FP事務所)

Ⅰ 経緯及び背景

平成28年4月19日の金融審議会総会において、金融担当大臣より「情報技術の進展その他の 市場・取引所を取り巻く環境の変化を踏まえ、経済の持続的な成長及び国民の安定的な資 産形成を支えるべく、日本の市場・取引所を巡る諸問題について、幅広く検討を行うこと」 との諮問が行われた。この諮問を受けて、金融審議会に市場ワーキング・グループが設置 され、国民の安定的な資産形成と顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティ ー注1)等について審議が行われた。

 

注1) フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)の概念は、しばしば信託契約等 に基づく

   受託者が負うべき義務を指すものとして用いられてきたが、欧米等でも近時ではより広く他者

   の信任に応えるべく一定の任務を遂行する者が負うべき幅広い 様々な役割・責任の総称として

   用いる動きが広がっている。 

 

Ⅱ 審議内容

1)投資家保護の為の取り組みが金融事業者による形式的・画一的な対応を助長してきた

2)金融事業者が自ら主体的に創意工夫を発揮して顧客本位の良質な金融商品・サービス の提供を競い合い優秀な金融事業者が顧客から選択される仕組みの実現が望ましい

3)金融庁は顧客本位の業務運営に関する原則を策定し、金融事業者が原則を踏まえて より良い金融商品・サービスの提供を競い合うように促していくことが適当である

 

Ⅲ 本原則の目的

平成 29 年 3 月 30 日に金融庁から「顧客本位の業務運営に関する原則」が公表されました FP として注目したのが本原則の対象として「金融事業者」という用語を特に定義していな いという点です。これは従来の金融機関だけが対象ではなく顧客本位の業務運営を目指す 我々FP も含めた金融事業者において幅広く採択されることがその目的です。

 

本原則に関する留意事項

【原則1:顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等】

金融事業者は、顧客本位の業務運営を実現するための明確な方針を策定・公表 するとともに、当該方針に係る取組状況を定期的に公表すべきである。当該方針はより 良い業務運営を実現するため、定期的に見直されるべきである。

【原則2:顧客の最善の利益の追求】

金融事業者は、高度の専門性と職業倫理を保持し、顧客に対して誠実・公正に 業務を行い、顧客の最善の利益を図るべきである。金融事業者は、こうした業務運営が 企業文化として定着するよう努めるべきである。

【原則3:利益相反の適切な管理】

金融事業者は、取引における顧客との利益相反の可能性について正確に把握し、 利益相反の可能性がある場合には、当該利益相反を適切に管理すべきである。 金融事業者は、そのための具体的な対応方針をあらかじめ策定すべきである

【原則4:手数料等の明確化】

金融事業者は、名目を問わず、顧客が負担する手数料その他の費用の詳細を、 当該手数料等がどのようなサービスの対価に関するものかを含め、顧客が理解できる よう情報提供すべきである。

【原則5:重要な情報の分かりやすい提供】

金融事業者は、顧客との情報の非対称性があることを踏まえ、上記原則4に 示された事項のほか、金融商品・サービスの販売・推奨等に係る重要な情報を顧客が 理解できるよう分かりやすく提供すべきである。

【原則6:顧客にふさわしいサービスの提供】

金融事業者は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び取引目的・ニーズを把握し、 当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの組成、販売・推奨等を行うべきである。

【原則7:従業員に対する適切な動機づけの枠組み等】

金融事業者は、顧客の最善の利益を追求するための行動、顧客の公正な取扱い、 利益相反の適切な管理等を促進するように設計された報酬・業績評価体系、従業員研修 その他の適切な動機づけの枠組みや適切なガバナンス体制を整備すべきである。

 

Ⅳ 現状認識及び問題点

フィデューシャリー宣言を行った金融事業者であっても残念ながら顧客本位の業務運営の 実現に向けて大きな進展が見受けられない状況を以下に紹介します。

・投資対象を特定の種類の資産に限定したテーマ型の商品が、依然販売額上位の銘柄の多 くを占めている(図表Ⅰ)

・投資信託の販売額と解約・償還額は、ほぼ同額である状況が継続しており、残高の増加 には貢献していない(図表Ⅱ)

・売れ筋投信の9割が毎月分配型であり、特に地銀では積立投信であっても販売額の半分 以上を毎月分配型が占めている(図表Ⅲ)

以上の3つのような事例は今回の原則には適合しているとは思えません。 販売サイドの金融事業者の都合が反映された結果だと言わざるを得ません。 これからは顧客サイドからも優良事業者を選別しサービス向上に繋げないといけません。 私も日々色んな方の相談に乗っていますが皆さん漠然とした将来への不安を抱えています。 日本国内の金融事業者が本原則に沿った公平で優良なサービスを提供出来れば将来への 不安も軽減されて停滞している個人消費にも必ず良い影響が出ると考えます。 私達 FP もその一翼を担えるように日々精進を重ねて参りたいと存じます。

 

船津正明 FP 事務所

CFP 船津 正明

〒650-0084 神戸市東灘区甲南町 3-2-20 ロマネスク甲南 304 号

TEL&FAX 078-777-5760

E-Mail funatsufp@gmail.com

皆様へお願い

このコラムをご覧になって、専門家にお電話いただく際には、「『My法務コラム』を見て電話した」とおっしゃっていただけると、スムーズです。

宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

 

こうべ企業の窓口

お問い合わせ先: 078 - 891 -6115 (平日9:00~18:00)

事務局: 〒657-0027 神戸市灘区永手町3丁目4-14-4F オネスト社労士事務所内