2022年 iDeCoの制度改正について

ファイナンシャルプランナー 船津正明(船津正明FP事務所)


先月、岸田首相が英国外遊中に「資産所得倍増プラン」を明らかにしました。具体的な内容はまだ公表されていませんが「貯蓄から投資」への流れを加速させる政策を総動員すると表明しました。

今回の背景は、この10年間で家計の金融資産は米国で3倍、英国で2.3倍になったのに対して日本は1.4倍にしか増えていないからです。個人が預貯金を株式などへの投資に振り向けるように促せば企業と家計への資金の好循環を生み出すことが可能となります。

これこそが「資産所得倍増プラン」の本当の目的です。

その具体策としてNISAやiDeCoなどの資産形成制度の拡充が求められておりますが、当コラムでは今年行われたiDeCoの制度改正について解説致します。 

 

 

<改正点1>

2022年4月からiDeCoの受け取り開始年齢が75歳まで延長されました。公的年金の繰り下げ受給開始年齢が75歳まで延長となることに合わせた改正です。

この改正でiDeCoの受け取り開始年齢は60歳から75歳の間で自由に選択できるので、老齢給付金を受け取るタイミングを選びやすくなりました。

また、iDeCoは受給開始までは非課税で運用できる期間が5年間増えたこともメリットです。

注意点は受け取り方法です。iDeCoは一時金か年金のいずれかを選択できますが、受給開始を75歳から開始する場合は年金での受け取りはできず、一時金のみに限定されます。

その際は、税制優遇策の退職所得控除も適用できますが、いつどのような受け取りを選択するかで支払う税額が変わりますので注意が必要です。

 

<改正点2>

2022年5月からiDeCoの加入可能年齢が60歳未満から65歳未満まで延長されました。

ただし、この改正で加入できるのは第2号被保険者である会社員・公務員または国民年金の任意加入者です。

また、これまでは海外居住者はiDeCoに加入できませんでしたが、国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになりました。

注意点は今回の5年延長対応が可能なのは、第2号被保険者である会社員・公務員または国民年金の任意加入者です。

そのため、基本的には第1号被保険者である自営業やフリーランス、あるいは第3号被保険者である専業主婦(夫)などはこれまで通り60歳までです。

しかし、iDeCoではなく企業型確定拠出制度に加入すれば5年間の延長は可能です。

 

<改正点3>

2022年10月から企業型確定拠出制度加入者がiDeCoにも加入しやすくなります。

現状でも一部の企業型確定拠出制度加入者はiDeCoにも加入は可能ですが、限られていました。

加入するためには労使合意の規約の変更が必要だったので、実際には加入できない人がたくさんいました。

改正後は、労使合意の規約の変更がなくても、全体の拠出の月額上限5.5万円から事業主掛金を控除した残りの範囲内(月額2.5万円または1.2万円)で加入できるようになりました。

今回の改正で、より多くの会社員などが企業型確定拠出制度だけではなくiDeCoにも加入できるようになりました。

企業型確定拠出制度では、事業主が掛金を負担しているケースが多いので節税効果が得られませんでしたが、iDeCoに加入して掛金を拠出すれば、所得税・住民税・社会保険料を軽減することができます。

注意点は、企業型確定拠出制度加入者がマッチング拠出を選んでいる場合は、マッチング拠出かiDeCoかどちらかを選択する必要があります。

 

 最近では、高年齢雇用安定法が改正され、企業には65歳までの雇用義務に加え、70歳までの就業確保の努力義務が追加されました。

人手不足の解決策として65歳以上の雇用確保と同時に、70歳まで拠出可能とする企業型確定拠出制度の導入をご検討してみてはいかがでしょうか?

労働力の確保と社員の福利厚生の拡充が同時に期待できます。

 

制度の導入にあたっては、就業規則や育児介護休業規程及び退職金規定の見直しなどが必要です。

このような場合は、他の士業と連携して効率よく解決することが肝要であり、当職も所属する神戸商工会議所所属の士業有志で立ち上げた「こうべ企業の窓口」にお問合せいただければ、複数士業が事業者の皆様をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

 

 

                       (この内容は、2022年7月時点の情報です)

 

 


ファイナンシャルプランナー 船津正明(ふなつ・まさあき) 

 

大和証券にて27年の実務経験により資産運用全般が得意分野です。現在は中小企業経営者と従業員向けの確定拠出年金制度の導入サポートに注力中です。圧倒的な低コストで制度導入から従業員向けの投資教育までワンストップで対応致します。その他各種の融資の相談も承ります。 

 

  1.確定拠出年金制度導入サポート

  2.事業融資&住宅ローン相談

  3.資産運用及び保険見直し

 

船津正明FP事務所

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