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在宅勤務における給与所得課税について


税理士 宮﨑 敦史 (S&P税理士法人 みなと元町事務所)

 この記事を執筆している時点では、コロナ禍も収まりつつありますが、オミクロン株の 脅威などまだまだ先が見えない状況です。

 ただこのコロナがもたらした社会への大きなインパクトは、オンラインでの研修や飲み会など、コロナ禍が終息した後でも残っていくものも多々あると思われます。その中の一つがテレワークではないでしょうか?このコラムでは、テレワークにおいて生じる諸費用 を企業側が負担した際の源泉所得税の取り扱いについて、国税庁公表の「在宅勤務に係る 費用負担等に関する FAQ(源泉所得税関係)」(令和 3 年 5 月 31日更新)に基づいて解説します。

 

1.在宅勤務に際して支給する金銭等の基本的な考え方

 在宅勤務を行う従業員に対して、金銭等を支給した際に所得税が課されるかどうかの基本的な考え方は、その支給が在宅勤務に通常必要な費用に関する実費相当額であるかどうかになります。当該費用の裏付けがなく渡切で支給するものは、給与として課税する必要があります。

 

2.各種物品の支給 

(1)事務用品等を支給した場合

 事務用品(PC 等)の支給をした場合は、企業からの貸与でない場合は、給与として課税されます。従業員が事務用品等を立替払いにより購入し、後日領収書等により精算する場合 は給与として課税されることはありません。(この場合も購入した物品は貸与であることが前提です。)

 

(2)在宅勤務に係る環境整備に関する物品の支給

 従業員の自宅に設置する、テーブル、空気清浄機等の物品を貸与する場合には課税されません。支給した場合には上記(1)と同様に課税されます。

 

(3)消耗品等の購入費用の支給

 在宅勤務に通常必要な費用(例えば、勤務時に必要なマスク等の消耗品費)について、その費用を精算する方法にて支給する場合は課税されません。通常必要ではないもの(例え ば勤務とは関係なく使用するマスク等、従業員の家族等に関するもの)は、課税対象となります。

 

3.経費の負担

(1)通信費に係る業務使用部分の計算方法

 原則は、通話明細を確認し具体的に業務に使用したものである通話料については課税対象外としますが、実際にはその把握は難しいと思われます。業務上通信費が発生する従業 員について支給する場合は、国税庁が公表する下記記算式により算出した費用を支給するのが現実的だと思います。

 1 ヵ月の電話代等の通信費×その従業員の 1 ヵ月の在宅勤務日数/該当月の日数×1/2

 ※上記の 1/2 は、1 日 24 時間の内勤務に充てる時間として、簡易に算出した数字になります。 

 

(2)電気料金に係る業務使用部分の計算方法

 従業員負担の自宅の電気代等については、下記算式により算出した金額については課税されません。

 1 ヵ月の電気代×業務に使用する部屋の床面積/自宅の床面積×その従業員の 1 ヵ月の在宅勤務日数/該当月の日数×1/2

 ※1/2 の考え方は上記(1)と同様です。

 

(3)レンタルオフィスの利用

 従業員が、勤務時間内に自宅近くのレンタルオフィス等を利用して在宅勤務を行った場合に、在宅勤務に通常必要な費用として領収書等にて精算されているものについては、従業員に対する給与として課税されません。

 

(4)室内消毒の外部への委託費用や PCR 検査費用等

 在宅勤務に関連して業務スペースを消毒する必要がある場合の費用や、企業の業務命令により受けた PCR 検査費用など業務のために通常必要な費用については課税されません。

 ただし、従業員が自己の判断により支出した消毒費用や、PCR 検査費用など業務のために通常必要な費用以外の費用については課税されます。

 

(5)食事の支給について

 昼食代の支給(現金支給)については、給与として課税されます。食券、弁当等の支給である場合に従業員からその食事の価額の 50%以上を徴収し、かつ企業の負担額が月額3,500 円を超えないときは、課税されません。(所得税基本通 達 36-38 の 2)

 

 記載の内容は、上記にある通り国税庁公表の文書に基づいています。

 より詳しくは、https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf を参照ください。 

 

 また具体的には、各企業様の実情に応じた取扱いが必要になると思います。このコラムは在宅勤務に関する源泉所得税について述べましたが、在宅勤務については、税金に関する事項ではなく、労務管理等種々検討する事項が多々あります。在宅勤務に関してお悩みの際は各種専門家が多数在籍する「こうべ企業の窓口」へぜひご相談ください。

 


執筆者のご紹介

税理士  宮﨑 敦史(みやざき・あつし)

世の中が大きく変わろうとする現在、弊社も変わるのに必死です。

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