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改正!パート労働者等の社会保険適用拡大

社会保険労務士 西本 恭子 (社会保険労務士ニシモト事務所)

 パートタイマー等の短時間で働く人たち(以下「パート労働者等」という)の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入条件について、これまで大企業に限定されてきた要件を、段階的に企業規模要件を縮小して適用していくという改正が盛り込まれた年金制度改革関連法が 5 月末に国会で可決されました。

 

 従来のパート労働者等の社会保険の加入要件とは、『正社員(フルタイム勤務の労働者)の働く日数や時間数の 4 分の 3 以上働いている状態』=社会保険に加入する、といった企業規模に関わらない一律の要件となっていました。

 

 その後の改正で、一定規模以上の企業に勤務するパート労働者等の加入要件が下記の通り新たに設けられました。

 

 【現行】

  1. 週の所定労働時間が 20 時間以上であること

  2. 給与の月額が 8.8 万円以上であること(残業手当、賞与等を除く)

  3. 昼間学生でないこと

  4. 1 年以上の雇用が見込まれること(*勤務期間要件)

  5. 従業員数が 501 人以上の企業であること(*企業規模要件)

 

 今回の改正により、2 年後に勤務期間と企業規模の要件が変更となります。

 【2022 年 10 月~】

  1~3 は現行通り

  4.2 か月超の雇用が見込まれること

  5.従業員数が 101 人以上の企業であること

 

 また、4 年後に企業規模要件がさらに変更となります。

 【2024 年 10 月~】

  5.従業員数が 51 人以上の企業であること

 

 ここでいう「従業員数」とは適用拡大前の一律の要件である「通常の被保険者の人数」を指すこととなります。

 

 具体的には①『正社員』と②『正社員の 4 分の 3 以上の勤務状況のパート労働者等』の合計人数(①+②)をもとに判断することとなり、②に満たない働き方のパート労働者等の人数はカウントされません。

 

 また従業員数について、法人であれば同一の法人番号を有する全事業所の総人数をカウント、個人事業主の場合は各事業所単位の人数をカウントすることとなりますので、判断が難しい場合は、私たち社労士にお尋ねください。

 

 この段階的な企業規模要件の引き下げに伴って、政府は新たに 65 万人以上が厚生年金の加入対象になると見込んでおり、年金の支え手を増やす狙いもありますが、反対に中小企業にとっては人件費の大きな負担増につながることから、見直しを迫られることとなります。

 今できる備えとして、あらたな被保険者となる可能性のあるパート労働者等の抽出により人数を把握し、保険料負担の見積もりを行っておくことをお勧めし ます。

 

 今回の年金改正では、高齢者の在職時に受け取る年金(在職老齢年金)の拡大等も行われており、より多様な労働者が混在する企業経営を迫られることとなります。パート労働者等の働き方について、希望聴取を進めながら、正社員への転換なども視野に入れて雇用計画を見直す必要も生じてくるでしょう。

 

 今回の年金改正をきっかけとして、個々の社員と密にコミュニケーションを取りながら、今一度社員の働き方を見直していかれてはいかがでしょうか? 

~こうべ企業の窓口会員~

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