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働き方改革と活用しやすい助成金

社会保険労務士 庄司 茂 (社会保険労務士法人 庄司茂事務所)

 6月29日、働き方改革関連法案が成立しました。働き方改革は、一億総活躍社会を切り開く鍵とされており、多様な働き方を可能とする社会への変革を目指しています。同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正、労働制度の改革を進め、我が国から非正規という言葉をなくす決意で臨むとされています。

 

1.非正規雇用労働者の現状

 非正規とは正規雇用労働者(正社員等の無期雇用フルタイム労働者)と違い、非正規雇用労働者のことで、期間の定めのある有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者のことです。近年、非正規雇用労働者の割合は、全雇用労働者の約37%となっています。非正規雇用労働者は、不安定な雇用状況にあり、多くの場合、賃金や福利厚生、キャリア形成・能力開発といった面で正規雇用労働者との待遇差がみられます。

 同一労働同一賃金の観点から、不合理な待遇差については、解消のための取り組みがなされていくことになりますが、「非正規という言葉をなくす」とは、非正規雇用労働者を正規雇用労働者に転換していくことになります。

 なぜ非正規雇用労働者として働いているかといった理由は、自分の都合のよい時間に働 けるから、家庭の事情(家事・育児・介護等)や他の活動と両立しやすいから、家計の補 助・学費等を得たいから、正社員として働ける会社がなかったから、勤務時間や労働日数 が短いから、定年後の再雇用のため等といった様々な理由があります。では、企業が非正規雇用労働者を活用する理由は、賃金節約のため、仕事の繁閑に対応するため、専門的業 務に対応するため、賃金以外のコストの節約のため、正社員を重要業務に特化させるため、景気変動に応じて雇用量を調整するため、高年齢者の再雇用対策のため等となっています。通常、正規雇用労働者は、「全国又は世界中どこにでも転勤可能です」、「残業はもちろん、休日出勤も可能です」、「職種が変わっても構いません」といった無限定な働き方を前提にしています。

 

2.国が推し進める正規雇用労働者への転換

 (1)多様な正社員制度

 非正規雇用労働者として働く理由を受け入れた多様な正社員制度の導入により、非正規雇用労働者を正規雇用労働者に転換していくことを可能とすることを推し進めています。具体的には、育児・介護といった事情で広い範囲での転勤が不可能な場合には勤務地限定正社員として、また、フルタイムでの勤務がむずかしい場合は短時間正社員として、職務を変更することなく決まった職務を継続したい場合は職務限定正社員として働くといった制度です。

 

 (2)有期雇用から無期雇用へ(無期転換ルール)

 労働契約法が改正され、定年再雇用者などの一部例外を除いて、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールができました。

 

3.キャリアアップ助成金

 キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。いくつかの助成金のコースがありますが利用しやすいコースを以下に紹介します。

(金額は中小企業の金額で< >内の金額は3年前と比べて生産性が伸びている場合、( )は大企業の金額です。)

 (1)正社員化コース

 非正規雇用労働者を正規雇用労働者等に転換した場合

 ①  有期から正規:1人当たり57万円<72万円>(44万7,500円<54万円>)

 ② 有期から無期:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<2 7万円>

 ③ 無期から正規:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<2 7万円>

  *勤務地限定等の多様な正社員に転換した場合も正社員に転換したものとみなします。

  *派遣労働者や母子家庭の母その他、加算要件があります。

 (2)健康診断コース

 非正規雇用労働者を対象とする「法定外健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した場合

1事業所当たり38万円<48万円>(28万5,000円<36万円>)

 

 (3)諸手当制度共通化コース

 非正規雇用労働者に関して正規雇用労働者にと共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合

1事業所当たり38万円<48万円>(28万5,000円<36万円>)

 以上の助成金は、労働力の確保などの観点から企業規模の大小を問わず非常に多くの企業で利用されています。

 最近は、コンサルタント会社からの助成金の FAX 案内などによるトラブルを見かけます。キャリアアップ助成金のような厚生労働省の雇用関係の助成金申請代行は、専門家である社会保険労務士にしか認められていません。興味のある方は、一度ご相談されてはいかがですか。

 

 

 

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