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「ワーク・ライフ・バランス」で働かせ方チェンジ

社会保険労務士 西本恭子 (社会保険労務士ニシモト事務所)

安倍政権による一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジと言われているのが、 「働き方改革」です。

働き方改革とは、働く人の立場や視点に立って長時間労働を抑制しながら、多様な働き方を可能にして行くための取り組みです。

この改革は、働き手だけにメリットのある取り組みなのでしょうか?

 

働き方改革を進めている理由は、大きく 3 つあります。

① 少子高齢化による人口減少に伴う働き手不足

② 長時間労働による様々な弊害(労働者のメンタルヘルス不全等)の増加

③ 諸外国と比較したときの日本の労働生産性の低さ

これらのうち、中小企業にとって最も深刻な課題に繋がるのは、①の働き手の不足といえるでしょう。

 

日本の人口のうちの 15~64 歳を一般に「生産年齢人口」と呼び、働き手の主力 となる年齢層を指します。この生産年齢人口は 1990 年代前半に団塊世代が 40 代半ば を迎え、またその子供である団塊ジュニア世代が当該人口に加わることによって、ピ ークを迎えているのですが、この比率は年々急激に低下し、戦争で多くの働き手を失 った 1940 年代後半と同じ水準に戻ると予想されています(国立社会保障・人口問題研究所 推計)。

 

絶対数が少ない働き手の中から、いかにして優秀な人材を自社に確保、定着させていくのか?また、これまで就業の機会が少なかった女性や高齢者を取り込んで、企業でどのように活用していくのか?

 

働き方改革は、働き手である労働者だけにメリットのある取り組みではなく、

企業として今後の人材獲得競争を勝ち抜くための必須の取り組みなのです。

 

また、多様な働き方を可能にするためには「ワーク・ライフ・バランス」の実現が不可欠です。仕事以外の時間確保のために働き方を見直し、効率よく仕事を完成させ、 労働の質と生活の質の両方を向上させていくことが求められています。

一昔前は「24 時間戦えますか?」というフレーズのCMが流行し、長時間働ける企業戦士がもてはやされていました。

今、職場の中で 1 日 24 時間をフルに仕事で使える労働者は、ほんの一握りです。

従来、時間制約を抱えて働くことを必要とするのは、育児と仕事の両立を図ろうとする女性労働者が中心でした。今後は、女性労働者のみならず、介護と仕事を両立し なければならない男性労働者が確実に増えていきます。

 

2024 年に、最も人口が多いとされる団塊世代のすべてが75歳以上の後期高齢者層に 突入していきます。後期高齢者層になると介護を必要とする確率が上昇し、そのことに伴い、団塊ジュニア世代が介護を担う割合も比例して増加することは明らかです。

団塊ジュニア世代には大きな特徴があり、一つ目に独身が多い、二つ目に兄弟姉妹が少ない、三つ目として共働き世帯が多いことが挙げられます。 また、核家族化が進み、同居関係にない嫁の介護を欲しない要介護者も多くあり、 先ほどの 3つの特徴と併せ、息子が介護者となる確率が非常に高くなっています。

このことにより、現在職場の中核を担う 40~50 代の男性管理職が、仕事と介護の両立が図れず離職を余儀なくされる「介護離職」問題も大きくメディアに取り上げられています。

 

企業は、時間制約を抱える労働者を排除していくことは非現実的であるという現状を把握し、限られた労働時間の枠組であっても、自社の生産性を落とすことなく利益を上げていく仕組み=ワーク・ライフ・バランス的な働かせ方へシフトチェンジしていく姿勢が求められています。

 

【執筆者】

社会保険労務士ニシモト事務所

社会保険労務士 西本恭子

HP : http://www.sr-nishimoto.com/

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