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役員任期の管理と変更登記はできていますか?

司法書士 上塩入 徹 (かみしおいり法律事務所 代表)

  企業法務の基本法として利用されている会社法が平成18年5月から施行されてから10年以上が経過し、企業法務の基準として定着したと言えますが、今日現在においても会社の役員任期の管理と役員の変更登記が出来ていない会社が多々見受けられます。

 そこで、本コラムでは企業法務の基本であり、忘れがちな役員の任期についてご説明します。なお、会社の種類は多数ありますが、本コラムでは株式会社、特例有限会社、合同会社における任期の違いを取り上げることとします

 

1.株式会社

 (1)任期は最大10年まで

 株式会社の場合、役員の任期規定や設置する会社組織等により長短はあるものの、役員任期の管理は必須です。  

 株式会社は、公開会社と非公開会社に大きく分かれます。公開会社とは、発行する株式の全部につき譲渡制限の定めのない会社であり、非公開会社とは、発行する株式の全部又は一部につき譲渡制限の定めのある会社を指します。日本における株式会社のほとんどは非公開会社(株式譲渡制限規定のある会社)となります。

 非公開会社(株式譲渡制限規定のある会社)の場合、原則として取締役は2年、監査役は4年の任期とされていますので、会社が定款で別段の定めを設けていない限り、2年毎に役員任期が到来し、2年毎に登記する必要があります。

 以上が原則ですが、会社は定款の規定により取締役と監査役の任期を最大10年まで伸長することができます(他の役員につき割愛)。反対にいえば、どんなに長くても10年に一度は役員の登記をしなければなりません。よく誤解されがちですが、例え今の役員の方々が全員そのまま続投される場合だとしても、何もしなくて良い訳ではなく、会社法または貴社の定款の規定に基づき役員の登記を申請しなければなりません。続投する場合は重任、新たに入る場合は就任、続投しない場合は任期満了など、任期が到来したタイミングで何かしらの登記を申請することになります。

 

(2)任期の計算方法

 さらに注意しなければならないのが、任期の計算方法です。例えば、役員任期を10年と定める会社の任期の計算方法は、「役員が選任された時から10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」と規定されています。役員が選任された時から単純に10年後に登記をすれば良い訳ではなく、10年を経過するまでに終了する事業年度に関する定時株主総会の終了までが任期と規定されているため、どこかのタイミングで会社の事業年度を変更した場合、役員任期規定よりも早く任期が到来することがあり得ます。顧問税理士が変わったときや事業拡大などの際に事業年度を変更している場合がありますので、注意が必要です。

 

(3)登記を忘れていた場合どうなるか

 本来であれば、役員変更登記は変更の事由が生じたときから2週間以内に登記しなければなりません。この期間を過ぎて登記を申請した場合、登記自体は受理されるものの、登記懈怠として100万円以下の過料の制裁が科される場合があります。過料が科されるか否か、科される場合の金額等は裁判所が決定し、代表者個人に対して通知されることになります。

 

2.特例有限会社

 平成18年5月以前に設立し現在も存在する有限会社は特例有限会社と表現され、株式会社における取締役と監査役の任期の規定が適用されないため、役員の任期を管理し、その登記をする必要はありません。しかし、役員構成の変更、住所の変更、代表者を定める等任期以外で役員変更登記が必要となる場合があります。

 

3.合同会社

 合同会社においては社員の任期規定は存在しないため、特に規定を設けない限り、役員の任期を管理し、その登記をする必要はありません。しかし、社員の持分の増減、業務執行社員の変更等、任期とは異なる規定で変更登記が必要となる場合があります。

 

4.まとめ

 株式会社、特例有限会社、合同会社のうち、株式会社はどこかのタイミングで必ず役員の登記をしなければなりません。万が一、登記のし忘れ等で遅れた場合、本来であれば支払わずに済む支出が発生することもありますので、自社で役員の任期を定期的に確認し、もし一定期間登記をした記憶がない場合や、自社の任期管理に不安がある場合は、司法書士にご相談ください。

 

 

 

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