令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況


社会保険労務士庄司茂(社会保険労務士法人庄司茂事務所)

 厚生労働省が毎年まとめている「個別労働紛争解決制度の施行状況」の令和 2 年度の内 容が明らかになりました。「個別労働紛争解決制度」は、①都道府県労働局や各労働基準 監督署内等で専門の相談員が対応する「総合労働相談」、②都道府県労働局長による「助 言・指導」、③紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。このほど公 表されたそれぞれの件数をご紹介します。 

 

 1 総合労働相談件数は過去最多で 129 万 782 件、13 年連続で 100 万件を超え、高止まり

 

 

 

   ① 総合労働相談:都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など379か所(令和3年4月 

   1日現在)に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コー

   ナーを設置し、専門の相談員が対応。

 

 ② 助言・指導:民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が、紛争当事者に対して解決の方 
   向を示すことで、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度。助言は、当事者の話し合いを促進す
     るよう口頭または文書で行うものであり、指導は、当事者のいずれかに問題がある場合に問題点を
         指摘し、解決の方向性を文書で示すもの。

 

   ③ あっせん:都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会のあっせん委員(弁護士や大学教授な
         ど労働問題の専門家)が紛争当事者の間に入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図
         る制度。

 

 2 民事上の個別労働紛争

 

  民事上の個別労働紛争:労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者 と事業主との 
 間の紛争(労働基準法等の違反に関するものを除く)

 

 

 

      

 

 相談・申請等の内容として、平成 23 年頃までは「解雇」が最多だったのに対し、この10年ほどで、「いじめ・嫌がらせ」が圧倒的に多くなる傾向に変わっています。令和2年度はコロナ禍だったにもかかわらず、「解雇や雇い止め」に関する件数はそれほど目立っていません。

 つまり、今後は企業として一番に考える必要があるには「ハラスメント対策」ということになります。

 企業組織の再編や人事労務管理の個別化などに伴い、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(「個別労働関係紛争」)が増加しています。

 企業は、紛争にならないような職場環境づくり、紛争になってしまった場合の対応策を 整備しておく必要があります。ぜひこうべ企業の窓口へご相談ください。

  


執筆者のご紹介

社会保険労務士 庄司茂(しょうじ・しげる) 

「人事評価制度導入支援」:頑張った人を評価するシステムづくり、「就業規則作成」:問題社員対策・リスク対応型就業規則の作成、「助成金・補助金申請支援」:厚労省・経産省など、「経営者向け労務管理セミナー」を得意分野としています。

 

  1.人事評価制度導入支援

  2.リスク対応型就業規則作成

  3.助成金・補助金申請支援

 

社会保険労務士法人庄司茂事務所

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